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賃上げ促進税制をフル活用し、法人税を賢く節税するテクニック
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・阪南を中心に労務相談、給与計算・社会保険手続き代行、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など、人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
賃上げするなら知っておきたい「税額控除」の仕組み
いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。
「最低賃金が上がり、人件費の負担が増えている」
「社員の給与を上げたいけれど、会社の利益も確保したい」
「賃上げしたら使える税制があると聞いたけれど、よく分からない」
このような企業様にぜひ知っていただきたいのが、賃上げ促進税制です。
一定の要件を満たして従業員の給与を増やした場合、給与増加額の一部を法人税から直接差し引くことができます。
中小企業が人件費アップを負担だけで終わらせないためのポイント
👉 賃上げを単なる人件費増加で終わらせず、税制優遇までセットで考えることがポイントです。
今回は、中小企業向けの賃上げ促進税制について、2026年度の制度を踏まえて分かりやすく解説します。
1.賃上げ促進税制とは?
賃上げ促進税制とは、従業員への給与等の支給額を前年度より増加させた企業について、一定額を法人税から控除できる制度です。
中小企業向け制度では、青色申告書を提出する中小企業者等が対象となります。
📌 経費として給与を損金算入するだけでなく、さらに法人税そのものを減らせる可能性があることが大きな特徴です。
中小企業庁も、前年度より給与等支給額を増加させた一定の中小企業について、その増加額の一部を法人税等から税額控除できる制度として案内しています。
2.2026年度の中小企業向け制度はどうなっている?
2026年度税制改正では、大企業向け制度の廃止などの見直しが行われました。
一方、中小企業向けの基本的な賃上げ要件は維持されています。
2026年4月1日から2027年3月31日までに開始する事業年度では、主に次のようになります。
・給与等支給額が前年度比 1.5%以上増加
→ 給与増加額の 15%を税額控除
・給与等支給額が前年度比 2.5%以上増加
→ 給与増加額の 30%を税額控除
さらに一定の子育て・女性活躍支援の認定要件を満たせば、控除率を5%上乗せでき、**最大35%**となります。
👉 「せっかく賃上げするなら2.5%以上を目指せるか」という視点も重要です。
3.どれくらい節税できる?簡単なイメージ
例えば、前年の給与等支給額が5,000万円だった会社が、今年5,150万円になったとします。
給与増加額は、
150万円
です。
この場合、増加率は3%ですので、2.5%以上の要件を満たします。
税額控除率が30%なら、
150万円 × 30% = 45万円
が税額控除額の目安となります。
つまり、要件を満たせば、
📌 法人税から45万円を直接控除できる可能性があります。
ただし、税額控除額には原則として法人税額の20%という上限があります。
4.中小企業なら「5年間の繰越控除」も重要
これまで、
「賃上げしたけれど赤字だから税額控除を使えない」
という企業もありました。
そこで中小企業向け制度では、一定の要件を満たせば、控除しきれなかった金額を5年間繰り越すことが可能です。
例えば、
今年
・賃上げを実施
・赤字で法人税が発生しない
翌年
・黒字化
となった場合に、一定要件のもとで前年の未控除額を活用できる可能性があります。
📌 「今年は赤字だから関係ない」と最初から対象外だと思わないことが重要です。
なお、繰越しを受けるためには、未控除額が発生した年度から必要な明細書を申告時に提出する必要があります。
5.2026年度から「教育訓練費」の上乗せは廃止
ここは制度変更として注意したいポイントです。
以前の中小企業向け賃上げ促進税制では、教育訓練費を一定以上増加させることで税額控除率を上乗せできる制度がありました。
しかし、2026年度税制改正により、教育訓練費に係る上乗せ措置は廃止されています。
そのため、以前の情報を見ながら、
「研修費を増やせばさらに10%上乗せできる」
と判断しないよう注意しましょう。
👉 税制は年度によって要件が変わるため、実施年度の最新情報を確認することが大切です。
6.最大35%を狙うなら「くるみん・えるぼし」も確認
2026年度も、子育てとの両立支援や女性活躍に積極的な企業への上乗せ措置は維持されています。
中小企業の場合、一定の
・くるみん認定
・くるみんプラス認定
・えるぼし認定(2段階目以上)
・プラチナくるみん認定
・プラチナえるぼし認定
などを取得している場合、税額控除率を5%上乗せできる可能性があります。
そのため、
賃上げ2.5%以上+対象認定
を満たせば、
👉 給与増加額の最大35%を税額控除
できる可能性があります。
単に税金だけを見るのではなく、育児との両立支援や女性活躍の環境整備を採用・定着にも活かしていくことが理想です。
7.「誰の給与を上げればいい?」にも注意
賃上げ促進税制では、単純に一人の社員だけを昇給させればよいというものではありません。
中小企業向け制度では、基本的に全雇用者の給与等支給額を前年度と比較します。
そのため、
・基本給の昇給
・各種手当
・賞与
・新規採用による給与増加
・退職者による給与減少
なども全体の支給額に影響します。
📌 個人単位ではなく、会社全体の給与総額で判定するという視点が重要です。
賃上げ計画を立てる際には、前年と今年の給与総額を事前にシミュレーションしておくと安心です。
8.助成金と賃上げ促進税制は「別物」
ここは特に中小企業の経営者様に知っていただきたいポイントです。
例えば、
・業務改善助成金
・キャリアアップ助成金
・働き方改革推進支援助成金
などでも、賃上げが要件になることがあります。
一方、賃上げ促進税制は税金を減らす制度です。
つまり、
助成金=一定の取組みに対してお金が支給される
賃上げ促進税制=法人税等から税額控除する
という違いがあります。
👉 条件によっては「助成金+賃上げ促進税制」の両方を検討できるケースがあります。
ただし、助成金等の額が給与等支給額の計算に影響する場合もあるため、実際の税額控除計算は税理士等への確認が必要です。
9.賃上げ前に「税制+助成金」をセットで確認する
例えば会社が、
「10月から全社員の給与を3%上げよう」
と考えている場合、
そのまま昇給を実施する前に、
・賃上げ促進税制の対象になるか
・業務改善助成金を使える社員はいないか
・キャリアアップ助成金の対象者はいないか
・賃金規程の変更が必要か
・最低賃金改定とのタイミングは問題ないか
などを確認することをおすすめします。
📌 同じ賃上げでも、「事前に制度を確認した会社」と「何も確認せず実施した会社」では、最終的な負担額が変わる可能性があります。
助成金には、賃上げや設備購入を行った後では申請できない制度もあります。
そのため、「昇給する」と決めた段階で一度確認することが大切です。
10.賃上げは「節税のため」だけに行わない
賃上げ促進税制は魅力的な制度ですが、
「税金が安くなるから給与を上げよう」
だけで判断するのはおすすめできません。
なぜなら給与は、一度引き上げると原則として継続的に発生する固定費だからです。
そのため、
・今後も支払える給与水準か
・売上・利益とのバランスは取れるか
・賃金テーブルとの整合性はあるか
・既存社員との給与バランスは崩れないか
も確認しましょう。
👉 税制優遇はあくまで賃上げを後押しする制度であり、会社が継続できる賃金設計が大前提です。
11.まずは中小企業庁の最新情報を確認
2026年度の中小企業向け賃上げ促進税制については、中小企業庁が最新のパンフレットやガイドブック、Q&Aを公開しています。制度は年度によって改正されるため、実際に利用する際は最新情報を確認しましょう。
👉 中小企業庁「中小企業向け賃上げ促進税制」
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html
なお、実際の法人税申告や税額控除額の計算については、顧問税理士等への確認をおすすめします。
12.社会保険労務士法人ワンステップに相談するメリット
社会保険労務士法人ワンステップでは、
・賃上げ計画の整理
・賃金テーブル・評価制度の構築
・賃金規程・就業規則の改定
・最低賃金への対応
・賃上げに活用できる助成金の確認
・業務改善助成金、キャリアアップ助成金等の申請支援
など、賃上げに伴う人事・労務面をサポートしています。
「社員の給与を上げたいけれど、どのくらい上げればよい?」
「賃上げするなら助成金も活用したい」
「給与体系そのものを見直したい」
といった企業様もお気軽にご相談ください。
税額控除そのものの申告・税務判断については税理士の業務となりますが、ワンステップでは賃上げの設計や助成金活用、規程整備の面からサポートいたします。
👉 社会保険労務士法人ワンステップ
https://www.onestep-sr.jp/
13.まとめ
賃上げ促進税制を活用する際は、
・前年度より給与総額を増やす
・1.5%以上、2.5%以上のラインを確認する
・税額控除率を事前にシミュレーションする
・5年間の繰越控除も忘れない
・子育て・女性活躍支援の上乗せ要件を確認する
・助成金とあわせて検討する
ことがポイントです。
📌 2026年度の中小企業向け制度では、給与等支給額を2.5%以上増加させた場合は30%、一定の認定要件も満たせば最大35%の税額控除を受けられる可能性があります。
👉 賃上げは会社にとって大きな負担ですが、税制や助成金を上手に組み合わせれば、その負担を軽減できる可能性があります。
「給与を上げる」だけで終わらせず、社員の処遇改善・人材定着・助成金活用・税制優遇まで一体で考えることが、これからの賃上げ戦略では重要です。
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