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離職率の計算方法と、和歌山県内の業界平均との比較
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・阪南を中心に労務相談、給与計算・社会保険手続き代行、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など、人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
「うちの会社は辞める人が多い?」を数字で確認してみましょう
いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。
「最近、社員がよく辞める気がする」
「うちの会社の離職率は高いのでしょうか?」
「同業他社と比べてどうなのか知りたい」
このようなご相談をいただくことがあります。
社員が3人退職したとしても、
従業員10人の会社で3人辞める場合
と、
従業員100人の会社で3人辞める場合
では意味が大きく違います。
そこで確認したいのが**「離職率」**です。
感覚だけで判断せず、自社の離職率と業界水準を比較することが採用・定着改善の第一歩
👉 退職者数だけではなく、会社の人数に対してどれくらいの社員が離職しているのかを数字にすると、自社の状況を客観的に確認できます。
今回は、離職率の基本的な計算方法と、和歌山県内の企業が業界平均と比較するときの考え方について解説します。
1.離職率とは?
離職率とは、一定期間にどれだけの従業員が会社を離れたかを表す指標です。
例えば、
1年間に10人中2人が退職した会社
と、
100人中2人が退職した会社
では、同じ「2人退職」でも状況は全く違います。
そこで、
退職者数 ÷ 従業員数 ×100
という形で割合にして考えます。
📌 離職率を継続して確認すると、「今年は退職者が増えている」「改善している」といった変化も分かりやすくなります。
2.離職率の基本的な計算方法
会社で簡易的に離職率を確認するのであれば、例えば次のように計算できます。
離職率=一定期間の離職者数÷基準となる従業員数×100
例えば、
年初の従業員数 50人
1年間の退職者数 5人
であれば、
5人÷50人×100=10%
です。
つまり、この会社の年間離職率は**10%**となります。
👉 まず自社の状況を把握するだけであれば、このような方法でも十分参考になります。
3.ただし「離職率」には複数の計算方法がある
注意したいのは、離職率には一つだけの計算方法があるわけではないことです。
例えば、
・年初の従業員数を分母にする
・期首と期末の平均従業員数を使う
・毎月の平均従業員数を使う
・雇用保険被保険者だけを対象にする
など、目的によって計算方法が異なります。
そのため、
「A社は10%、B社は15%だからA社の方が良い」
と単純比較する場合には注意が必要です。
📌 他社や公的統計と比較するときは、できるだけ同じ定義・同じ期間で比較することが重要です。
4.厚生労働省の「離職率」はどう計算している?
業界平均を確認するときによく使われるのが、厚生労働省の雇用動向調査です。
この統計では、一定期間の離職者数を基準となる常用労働者数で割って離職率を算出しています。
また、和歌山県が実施している毎月勤労統計調査では、
減少労働者数÷前調査期間末の労働者数
によって月ごとの離職率を算出しています。
つまり、自社で独自に算出した「年間離職率」と、県が公表する「月間離職率」をそのまま横に並べて比較することは適切ではありません。
👉 数字を見るときは、「何人辞めたか」だけでなく、その数字がどのような方法で計算されているかまで確認しましょう。
5.和歌山県全体の離職状況は?
和歌山県では、県内の常用労働者5人以上の事業所などを対象として、毎月勤労統計調査を実施しています。
例えば2026年1月の調査では、事業所規模5人以上について、
入職率 0.94%
離職率 0.99%
となっています。
この数字は1か月間の動きを表したものであり、年間離職率0.99%という意味ではありません。
また、その月特有の採用・退職事情にも左右されます。
📌 県全体の数字は参考にはなりますが、自社の年間離職率をそのまま0.99%と比較するものではない点に注意しましょう。
6.業界によって離職率はかなり違う
離職率を見るうえで非常に重要なのが業種です。
厚生労働省の雇用動向調査を見ると、離職率は産業によってかなり差があります。
例えば2024年の全国データにおける一般労働者の年間離職率では、
建設業 9.7%
製造業 8.8%
運輸業・郵便業 9.1%
卸売業・小売業 10.7%
金融業・保険業 7.4%
宿泊業・飲食サービス業 18.1%
となっています。
全産業では**11.5%**でした。
👉 「離職率10%だから高い」と一律に判断するのではなく、自社と近い業界の水準を見ることが重要です。
7.宿泊・飲食業は離職率が高くなりやすい
特に離職率が高い傾向が見られるのが、
宿泊業・飲食サービス業
です。
2024年の一般労働者の年間離職率は全国で**18.1%**でした。
一方、
製造業 8.8%
建設業 9.7%
です。
同じ「離職率15%」でも、
製造業で15%
と、
飲食業で15%
では評価が変わってきます。
📌 離職率を見るときには、全国平均だけではなく「自社と同じ業種の平均」を確認しましょう。
8.2025年上半期の数字を見ても業界差は大きい
直近の傾向を確認するため、厚生労働省の2025年上半期の一般労働者の離職率を見ると、
建設業 4.6%
製造業 4.7%
運輸業・郵便業 4.3%
卸売業・小売業 5.1%
宿泊業・飲食サービス業 10.3%
生活関連サービス業・娯楽業 8.1%
医療・福祉 7.8%
となっています。
これは半年間の数字なので年間離職率とは直接比較できませんが、やはり業種による差があることが分かります。
👉 自社の離職率を評価するときには、業種・対象期間・雇用形態をそろえることがポイントです。
9.「和歌山県×業界平均」はどう比較する?
ここでよく聞かれるのが、
「和歌山県の製造業だけの年間離職率は?」
「和歌山県の介護業界平均は?」
という質問です。
実は、公的統計では全国の雇用動向調査のように、和歌山県についてすべての業種の年間離職率が同じ形式で一覧化されているわけではありません。
和歌山県では毎月勤労統計調査によって県内産業の雇用動向を調査していますが、統計の定義や公表方法が全国の雇用動向調査とは異なります。
そのため実務では、
① 自社の離職率
② 全国の同業種の離職率
③ 和歌山県全体の雇用動向
を組み合わせて判断する方法が現実的です。
📌 「和歌山県平均より上か下か」だけで判断せず、同業種との比較を重視しましょう。
10.正社員とパートを分けて見る
例えば飲食店で、
正社員10人
パート・アルバイト30人
という会社があったとします。
1年間に、
正社員1人
アルバイト10人
が退職した場合、全員をまとめると離職者11人です。
しかし経営上は、
「正社員が定着していない」
のか、
「学生アルバイトの入れ替わりが多い」
のかでは対策が全く違います。
👉 離職率は会社全体だけでなく、正社員・パートなど雇用形態別に分けて確認することをおすすめします。
11.「入社3年以内」の離職率も重要
会社全体の離職率とあわせて確認したいのが、早期離職です。
例えば、
毎年10人採用する
↓
そのうち5人が1年以内に退職する
という状態であれば、採用活動そのものを見直す必要があります。
原因としては、
・求人票と実際の仕事内容が違う
・入社後の教育が不足している
・上司とのコミュニケーションが少ない
・給与条件への不満
・休日や勤務時間への不満
などが考えられます。
📌 全体の離職率が低くても、新入社員だけ大量に辞めている場合があります。
そのため、
1年以内離職率
3年以内離職率
なども確認すると、会社の課題がより見えやすくなります。
12.自己都合退職と会社都合退職も分ける
退職者数だけを見るのではなく、退職理由も整理しましょう。
例えば、
・転職
・家庭事情
・定年
・契約期間満了
・会社都合
・職場環境への不満
などです。
定年退職者が多かった年に、
「離職率が高い。職場環境に問題がある」
と判断しても意味がありません。
一方、
20代・30代の自己都合退職が急増している
のであれば、会社として確認すべきサインかもしれません。
👉 「何人辞めたか」だけではなく、「誰が・いつ・なぜ辞めたか」まで見ることが重要です。
13.離職率が高い会社で確認したい5つのポイント
離職率が業界平均より高かったとしても、すぐに給与を上げれば解決するとは限りません。
例えば、次のような点を確認します。
① 給与
同業他社と比べて低すぎないか。
② 労働時間・休日
残業が多い、休日が少ない、有給が取りにくいといった問題がないか。
③ 上司との関係
特定の部署や上司だけ離職者が多くないか。
④ 評価制度
頑張っても評価されない状態になっていないか。
⑤ 入社後教育
採用した後、「仕事を見て覚えて」で放置していないか。
📌 離職率は問題そのものではなく、「会社のどこかに課題がありますよ」と知らせてくれる指標と考えるとよいでしょう。
14.部署別に離職率を見ると原因が見える
会社全体の離職率が10%だったとしても、
営業部 5%
製造部 5%
店舗A 8%
店舗B 30%
という状態であれば、問題は店舗Bに集中している可能性があります。
そこで、
・店長との関係
・勤務シフト
・残業
・業務負担
・教育体制
などを確認します。
👉 会社全体の平均だけでは見えない問題が、部署別に分けることで見えてくることがあります。
人数の多い会社では特に有効です。
15.離職率は「低ければ低いほど良い」とも限らない
意外かもしれませんが、離職率0%が必ず理想とは限りません。
例えば、
・社員が高齢化している
・若手採用を全くしていない
・仕事をしない社員でも辞めない
・人材の新陳代謝が起こっていない
という会社でも、離職率は低くなります。
反対に、成長して大量採用を行っている会社では、ある程度の退職者が発生することもあります。
📌 離職率だけを経営目標にするのではなく、「残ってほしい社員が定着しているか」を見ることが重要です。
16.離職率を毎年記録する
おすすめしたいのは、最低でも年1回、
・従業員数
・入社人数
・退職人数
・離職率
・退職理由
・勤続年数
を記録することです。
例えば、
2024年 15%
2025年 13%
2026年 9%
となれば、改善傾向が分かります。
反対に、
8% → 12% → 18%
と上昇していれば、早めに原因を確認できます。
👉 他社との比較以上に、「自社の過去との比較」が大切です。
毎年同じ計算方法で記録することで、自社の変化が分かるようになります。
17.助成金の要件として離職率を見ることもある
離職率は、会社の人材定着を確認するだけでなく、助成金の要件として登場することもあります。
雇用関係助成金の中には、
・計画期間前の離職率
・取り組み実施後の離職率
・一定期間の雇用保険被保険者数
などを使って、雇用管理改善の効果を判定する制度があります。
この場合は会社が普段使っている離職率の計算式ではなく、その助成金で定められた計算方法を使わなければなりません。
📌 助成金申請では、「普段計算している離職率は10%だから大丈夫」と自己判断せず、対象制度の手引きに沿って計算しましょう。
18.社会保険労務士法人ワンステップに相談するメリット
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・大阪を中心に、
・自社の離職率の分析
・業界水準との比較
・退職理由の整理
・社員アンケート、面談制度の設計
・評価制度の構築
・賃金制度の見直し
・就業規則の整備
・採用、定着に関するご相談
・活用できる助成金のご提案
などをサポートしています。
「最近退職者が増えているけれど、原因が分からない」
「同業他社と比べて離職率が高いのか知りたい」
「採用してもすぐ辞めてしまう」
という企業様もお気軽にご相談ください。
👉 社会保険労務士法人ワンステップ
https://www.onestep-sr.jp/
19.まとめ
離職率を把握する第一歩は、
一定期間の退職者数÷基準となる従業員数×100
という形で、自社の数字を継続して確認することです。
ただし、離職率の計算方法は統計や目的によって異なります。
そのため比較するときには、
・同じ期間か
・同じ業種か
・正社員とパートを分けているか
・計算方法が同じか
を確認することが重要です。
また、和歌山県内の状況を見る場合も、単純に「和歌山県平均」と比較するだけではなく、全国の同業種データと県内の雇用動向を組み合わせて判断するとよいでしょう。
📌 離職率は「会社の良し悪しを決める点数」ではありません。会社の課題を見つけるための健康診断のような数字です。
そして本当に見るべきなのは、
「何%だったか」だけではなく、「誰が・なぜ辞めているのか」です。
👉 数字を出して終わりにせず、部署別・年代別・勤続年数別・退職理由別まで分析することで、採用や定着の改善につなげていきましょう。
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当法人では、企業様に顧問社労士契約を推奨しております。労務・手続き・助成金に強い顧問社労士をつけることで、労務問題を迅速に解決するだけでなく、給与計算や諸手続きにかかる総務部門の間接コストを削減することができ、経営に専念できる環境を整備出来ます。その他にも受給できる助成金の提案・申請代行や各種研修の実施・最新情報提供など、様々なメリットがあります。 詳しくは、【サービス紹介】をご覧ください。
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