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従業員に会社の「数字」をどこまで見せる?オープンな経営の効果
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・阪南を中心に労務相談、給与計算・社会保険手続き代行、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など、人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
売上・利益・人件費を共有すると社員の意識は変わる?
いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。
「社員に会社の売上を教えた方がいいのでしょうか?」
「利益まで見せると、給与を上げてほしいと言われそう…」
「経営数字を共有すると社員の意識が変わると聞いたけれど、本当?」
会社の数字をどこまで社員へ公開するかは、経営者によって考え方が大きく分かれます。
決算内容まで社員に説明する会社もあれば、
「社員には売上すらほとんど教えない」
という会社もあります。
どちらが絶対に正しいというものではありません。
「全部公開」ではなく、社員に知ってほしい数字を目的に合わせて見せることがポイント
しかし、
👉 社員に会社の状況を理解してもらい、経営者と同じ方向を向いて働いてもらいたいのであれば、一定の数字を共有することは有効です。
今回は、中小企業が社員へ会社の数字を公開するメリットと、「どこまで見せるべきか」という判断基準について解説します。
1.なぜ社員に「会社の数字」を見せるのか?
会社の数字を公開する最大の目的は、社員を経理担当者にすることではありません。
重要なのは、
「自分たちの仕事が会社の経営にどう影響しているのか」
を理解してもらうことです。
例えば、
「今月の売上は3,000万円でした」
と伝えるだけでは、社員にとっては単なる数字かもしれません。
しかし、
「目標3,200万円に対して200万円不足している」
「材料費が上がって利益率が下がっている」
「残業時間が増えて人件費が上昇している」
まで説明すると、自分たちの仕事との関係が見えてきます。
📌 数字を共有する目的は、社員に経営を理解してもらい、日々の行動につなげることです。
2.「売上=会社が儲かっている」ではない
社員と経営者で認識がズレやすいのが、売上と利益の違いです。
例えば会社の年間売上が、
3億円
だったとします。
社員からすると、
「3億円も売上があるなら、会社はかなり儲かっているのでは?」
と思うかもしれません。
しかし実際には、
・仕入代
・材料費
・外注費
・給与
・社会保険料
・家賃
・車両費
・システム利用料
・借入金の返済
など、さまざまな支出があります。
売上3億円でも、最終的に残る利益はわずかということも珍しくありません。
👉 「売上が多い=自由に使えるお金が多い」ではないことを理解してもらうだけでも、社員の会社を見る目は変わります。
3.効果① コスト意識が生まれる
会社の数字をまったく知らない状態では、
「備品を少しくらい無駄にしても大丈夫」
「残業しても会社が残業代を払うだけ」
と考えてしまうことがあります。
しかし、
「年間の残業代が○○万円」
「材料の廃棄ロスが年間○○万円」
などと数字で示すと、受け止め方が変わります。
例えば、月10万円の無駄でも、
10万円×12か月=年間120万円
です。
📌 経費削減を「節約してください」とお願いするより、「年間いくら使っているか」を数字で見せる方が理解してもらいやすい場合があります。
4.効果② 売上目標に意味が生まれる
営業社員に、
「今月はあと500万円売ってください」
と言っても、
「なぜ500万円必要なの?」
と思われることがあります。
そこで、
・損益分岐点
・目標利益
・固定費
・現在の売上
などを簡単に説明します。
すると、
「会社が安定して利益を残すためには、この売上が必要なのか」
と目標の意味を理解しやすくなります。
👉 数字をノルマとして与えるのではなく、「なぜこの目標なのか」を説明することが大切です。
5.効果③ 給与や賞与への理解につながる
社員にとって、会社の利益と特に関係が深いのが給与・賞与です。
例えば、
「去年より売上が増えたのに、なぜボーナスが増えないの?」
という疑問が出ることがあります。
しかし、
売上は増えたものの、
・原材料費が上昇した
・人件費が増えた
・光熱費が増えた
・設備投資を行った
結果として利益が減っていることもあります。
📌 賞与や昇給について納得してもらうためにも、会社業績との関係をある程度説明することは有効です。
ただし、数字を公開すれば必ず社員が納得するわけではありません。
評価制度や賞与の決定基準もあわせて整えておくことが重要です。
6.では「どこまで」公開すればいい?
会社の数字をすべて社員へ公開する必要はありません。
例えば、まず共有しやすいのは、
【比較的共有しやすい数字】
・会社全体の売上
・売上目標
・前年対比
・粗利益
・部門別売上
・生産量
・受注件数
・残業時間
・有給取得率
などです。
これらは社員自身の仕事と結びつけやすい数字です。
👉 最初から決算書をすべて公開するのではなく、「社員にどのような行動をしてほしいか」から逆算して数字を選びましょう。
7.「利益」まで公開するかは会社次第
一歩進めて、
・営業利益
・経常利益
・利益率
などを共有する方法もあります。
これは経営への理解を深めてもらううえでは効果的です。
一方で、
「利益が1,000万円あるなら、もっと給与を上げられるのでは?」
という反応が出る可能性もあります。
そのため利益を公開するのであれば、
・納税
・借入金返済
・将来の設備投資
・運転資金
・内部留保
などについても説明する必要があります。
📌 利益の数字だけを見せるのではなく、「その利益を何に使うのか」まで説明することがポイントです。
8.個人別給与などは慎重に扱う
一方、公開には慎重になった方がよい情報もあります。
例えば、
・社員個人の給与
・個人別賞与
・個人評価
・個人の社会保険情報
・取引先との機密性の高い条件
などです。
特に給与情報は非常にデリケートです。
「経営をオープンにする」という理由だけで、社員全員の給与を公開する必要はありません。
👉 経営情報の透明性と、個人情報・機密情報の保護は別に考えましょう。
9.役職によって見せる数字を変えてもいい
全社員に同じ情報を公開する必要もありません。
例えば、
一般社員
売上、目標、生産性、残業時間など
管理職
上記+部門別利益、人件費、予算実績など
経営幹部
上記+会社全体の利益、資金計画、経営計画など
というように段階を設ける方法があります。
📌 責任と権限が大きくなるほど、判断に必要な情報も増やしていくという考え方です。
特に「社長の右腕」を育てたい会社では、幹部社員に一定の経営数字を理解してもらうことは重要です。
10.数字を見せるだけでは社員は動かない
毎月会議で、
「今月の売上は2,800万円です」
「以上です」
と伝えるだけでは、数字を公開する効果は限定的です。
重要なのは、
結果 → 原因 → 次の行動
までつなげることです。
例えば、
結果
売上目標に200万円届かなかった
↓
原因
既存顧客からの受注が減った
↓
行動
来月は既存顧客への訪問件数を増やす
という形です。
👉 経営数字は「報告するため」ではなく「次の行動を決めるため」に使いましょう。
11.評価制度と連動するとさらに効果的
会社が、
「利益を意識してください」
と言っているのに、評価制度では売上だけを評価していると社員の行動は変わりません。
例えば、
・売上
・粗利益
・生産性
・コスト削減
・業務改善
など、会社が重要だと考える項目を評価制度にも反映させます。
すると、
会社が目指す方向
と、
社員が評価される行動
を一致させることができます。
📌 数字の共有・目標管理・人事評価をバラバラに運用しないことが重要です。
12.「数字の勉強会」をしてみるのもおすすめ
社員へ数字を公開する前に、簡単な勉強会を行う方法もあります。
難しい会計知識は必要ありません。
例えば、
・売上とは?
・粗利益とは?
・営業利益とは?
・人件費には何が含まれる?
・会社はどこから給与を払っている?
といった基本だけでも十分です。
👉 数字の意味を知らない社員に決算書を渡すより、まず「会社のお金の流れ」を理解してもらう方が効果的です。
管理職研修の一部として取り入れるのもよいでしょう。
13.数字を公開するなら「情報管理」も忘れずに
経営数字には、社外へ漏れると困る情報もあります。
そのため、
「社内で共有した資料をSNSに掲載する」
「取引先に会社の利益率を話してしまう」
といったことが起こらないよう、情報管理ルールも必要です。
例えば、
・社外秘情報の範囲
・資料の持ち出し
・データの保存方法
・退職時の情報返却
・SNSへの投稿禁止
などを就業規則や情報管理規程で整理します。
📌 オープンな経営と情報管理はセットで考えましょう。
14.社員教育には助成金を活用できる場合も
社員や管理職に、
・財務知識
・マネジメント
・業務改善
・生産性向上
などの研修を実施する場合、内容や実施方法などの要件によっては、人材開発支援助成金を活用できる可能性があります。
特に管理職に経営感覚を身につけてもらいたい場合には、外部研修等を検討するのも一つの方法です。
📌 研修を申し込んだ後では手続きが間に合わない場合もあるため、助成金を検討する場合は研修実施前に確認しましょう。
15.社会保険労務士法人ワンステップに相談するメリット
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・大阪を中心に、
・評価制度の構築
・賃金テーブルの作成
・賞与制度の設計
・管理職育成に関するご相談
・就業規則、情報管理ルールの整備
・社員研修に活用できる助成金のご提案
など、人事労務の面から会社の仕組みづくりをサポートしています。
「社員にもっと経営者目線を持ってほしい」
「数字を公開したいけれど、どこまで見せればいい?」
「会社の業績と評価・賞与を連動させたい」
といった企業様もお気軽にご相談ください。
👉 社会保険労務士法人ワンステップ
https://www.onestep-sr.jp/
16.まとめ
従業員に会社の数字を公開する目的は、単に会社の情報をオープンにすることではありません。
大切なのは、
・会社の現状を理解してもらう
・売上と利益の違いを知ってもらう
・コスト意識を持ってもらう
・目標の意味を理解してもらう
・自分の仕事と会社業績を結びつけてもらう
ことです。
📌 だからこそ、「全部見せるか・全部隠すか」という二択で考える必要はありません。
まずは売上、目標、前年対比など、社員にとって分かりやすい数字から始めてもよいでしょう。
そして管理職には、利益や人件費など、より経営判断に近い数字を共有していく方法もあります。
👉 数字を見せることが目的ではなく、その数字を見て社員の行動がどう変わるかが重要です。
経営者だけが会社の数字を見て考える組織から、社員も会社の状況を理解して行動できる組織へ。
会社の成長段階に合わせて、適切な「オープン経営」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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