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赤字でもボーナスは出すべき? 社員の士気を維持するための判断基準
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・阪南を中心に労務相談、給与計算・社会保険手続き代行、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など、人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
「赤字だからゼロ」で決める前に考えたい、会社の資金繰りと社員の納得感
いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。
「今期は赤字だけど、賞与をゼロにしていいのだろうか」
「社員は頑張ってくれたので、少しでも支給したい」
「賞与を出さなければ、社員が辞めてしまわないか心配」
業績が厳しいとき、経営者様を悩ませるのが賞与(ボーナス)を支給するかどうかです。
黒字で十分な利益が出ていれば判断しやすいものの、赤字の場合はそう簡単ではありません。
しかし、
👉 「赤字=賞与ゼロ」「社員が頑張った=必ず支給」という二択で考える必要はありません。
会社の資金繰り、賞与規程、社員の貢献度、今後の採用・定着などを総合的に見て判断することが重要です。
今回は、赤字でも賞与を支給すべきか、その判断基準について解説します。
1.そもそも賞与は必ず支給しなければならない?
賞与は、法律上すべての会社に支給が義務付けられているものではありません。
ただし、
・就業規則
・賃金規程
・雇用契約書
・労働協約
などで賞与の支給条件を定めている場合は、その内容を確認する必要があります。
例えば、
「毎年7月及び12月に基本給1か月分を支給する」
と明確に定めている場合と、
「会社の業績及び本人の勤務成績等を勘案して賞与を支給することがある」
としている場合では、会社側の判断余地が異なります。
📌 まず確認すべきなのは「赤字かどうか」より、自社の賞与規程がどうなっているかです。
2.「赤字」と「お金がない」は同じではない
賞与を検討するときに重要なのが、利益と資金繰りを分けて考えることです。
決算上は赤字でも、会社に十分な現預金がある場合があります。
反対に、帳簿上は黒字でも、
・売掛金の回収前
・設備投資直後
・借入金の返済が大きい
などの理由で、手元資金が少ない場合もあります。
👉 賞与は実際に現金が出ていくため、「利益」だけでなく「支払った後に会社が安全に運営できるか」を確認する必要があります。
3.賞与を出した後の「会社のお金」を考える
社員10人に平均30万円の賞与を支給すれば、
30万円 × 10人=300万円
です。
しかし、会社の負担は300万円だけではありません。
賞与についても、原則として健康保険・厚生年金保険などの社会保険料が発生します。
さらに雇用保険料なども考慮する必要があります。
📌 「賞与総額」ではなく、会社負担の社会保険料等を含めた総額で資金計画を立てましょう。
4.赤字でも賞与を検討したいケース
例えば、一時的な要因によって赤字になっている場合です。
・大型設備への投資を行った
・新店舗をオープンした
・一時的な費用が発生した
・将来に向けた先行投資を行った
など、通常の事業そのものが大きく悪化しているわけではないケースがあります。
さらに、社員が目標を達成しているのであれば、
👉 会社全体の赤字だけを理由に個人の頑張りをすべてゼロ評価にすることが適切なのか
という視点も必要です。
少額でも賞与を支給する、個人評価部分のみ支給するなど、状況に応じた方法も考えられます。
5.賞与を無理に出さない方がよいケース
一方で、
・毎月の資金繰りが厳しい
・借入金の返済に不安がある
・売上回復の見通しが立っていない
・今後も赤字が続く可能性が高い
という場合には慎重な判断が必要です。
社員の士気を維持するために賞与を支給しても、その結果として会社経営そのものが苦しくなってしまっては意味がありません。
📌 賞与は「一度支給できるか」ではなく、「会社を継続できるか」という視点で判断することが大切です。
6.「ゼロか満額か」だけで考えない
業績が厳しい場合でも、選択肢は二つだけではありません。
例えば、
・通常30万円のところ10万円支給する
・一律の少額賞与を支給する
・個人評価が高い社員を中心に配分する
・会社業績部分を減額し、個人評価部分を残す
などの方法も考えられます。
👉 賞与制度を「会社業績」と「個人評価」に分けておくと、業績が悪い年にも判断しやすくなります。
ただし、支給額に差を設ける場合には、評価基準を明確にしておくことも重要です。
7.賞与を減らすなら「説明」が重要
社員からすると、
「去年は30万円だったのに、今年は10万円だった」
となれば、当然理由が気になります。
そこで会社から、
「今期は○○の影響で会社全体として赤字となりました。一方、皆さんの頑張りも考慮し、今回は○○という考え方で賞与を決定しました」
など、可能な範囲で説明することも大切です。
📌 社員が不満を感じるのは、金額が少ないことだけではなく「なぜこの金額なのか分からない」ことでもあります。
経営情報をすべて公開する必要はありませんが、賞与決定の考え方を伝えることで納得感は変わります。
8.「毎年○か月分」が当たり前になっていませんか?
賞与制度で注意したいのが、毎年同じ金額を支給し続けることです。
会社としては業績によって変動させるつもりでも、長年、
「夏1か月+冬1か月」
という運用を続けていると、社員側はそれを当然のものとして考えるようになります。
そのため、就業規則や賃金規程では、
・会社業績
・本人の勤務成績
・支給日時点の在籍要件
・査定期間
など、賞与の決定基準を整理しておくことをおすすめします。
👉 業績連動型にしたいのであれば、実際の運用だけでなく規程も合わせて整えておきましょう。
9.賞与より「月例賃金」を重視する方法もある
賞与には、会社業績に応じて調整しやすいというメリットがあります。
一方で、社員からすると、
「毎月の給与を安定して増やしてほしい」
という考え方もあります。
そのため、
月例賃金を重視する会社
賞与によって成果を還元する会社
のどちらが自社に合っているのかを考えることも必要です。
📌 給与・賞与・評価制度をそれぞれ別々に考えるのではなく、会社全体の賃金制度として設計することが重要です。
10.賃上げや処遇改善には助成金を活用できる場合も
業績が厳しい中でも、
「社員の待遇は改善したい」
という企業様も多いと思います。
そのような場合、取り組み内容によっては、
・キャリアアップ助成金
・業務改善助成金
・人材開発支援助成金
などを活用できる可能性があります。
例えば、設備投資による生産性向上と賃上げを組み合わせることで、業務改善助成金の対象となるケースがあります。
📌 会社の利益を増やす仕組みと、社員の処遇改善をセットで考えることがポイントです。
雇用関係助成金については、厚生労働省でも各制度の最新情報が公開されています。
11.賞与支給後には社会保険の手続きも忘れずに
賞与を支給した場合、社会保険に加入している従業員については、原則として賞与支払届の提出が必要です。
また、賞与からは社会保険料や所得税などを正しく計算する必要があります。
そのため、
「社長から社員へ臨時で10万円ずつ渡そう」
という場合でも、そのお金が労働の対償として支給されるものであれば、単なるお祝い金として処理できるとは限りません。
👉 賞与の名称ではなく、実際の支給内容に応じて給与計算・社会保険の処理を行うことが重要です。
12.社会保険労務士法人ワンステップに相談するメリット
社会保険労務士法人ワンステップでは、
・賞与制度の設計
・評価制度との連動
・賃金テーブルの作成
・賃金規程・就業規則の見直し
・賞与計算、社会保険手続き
・賃上げや処遇改善に活用できる助成金のご提案
などをサポートしています。
「業績に応じて賞与を変動できる制度にしたい」
「社員に説明できる賞与基準を作りたい」
「賞与と基本給のバランスを見直したい」
といった企業様もお気軽にご相談ください。
13.まとめ
赤字のときに賞与を支給するかどうかは、赤字という事実だけで判断するものではありません。
大切なのは、
・就業規則や賃金規程を確認する
・赤字になった理由を分析する
・今後の資金繰りを確認する
・社員の成果や貢献も考慮する
・支給するなら社会保険料等を含めて計算する
・減額・不支給の場合は社員への説明を行う
ことです。
📌 賞与は「会社に余ったお金を配るもの」でも、「赤字なら必ずゼロにするもの」でもありません。
👉 会社の業績と社員の頑張りをどのように反映するのか。そのルールを平常時から決めておくことで、業績が厳しいときにも判断しやすくなります。
賞与を単なる年1~2回の支給ではなく、社員の納得感と会社の持続的な成長を両立させる人事制度として設計していきましょう。
労務問題対策には専門家の支援を
当法人では、企業様に顧問社労士契約を推奨しております。労務・手続き・助成金に強い顧問社労士をつけることで、労務問題を迅速に解決するだけでなく、給与計算や諸手続きにかかる総務部門の間接コストを削減することができ、経営に専念できる環境を整備出来ます。その他にも受給できる助成金の提案・申請代行や各種研修の実施・最新情報提供など、様々なメリットがあります。 詳しくは、【サービス紹介】をご覧ください。
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