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【社労士監修】従業員の入社・退社時に必要な社会保険・雇用保険手続き一覧
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・阪南を中心に労務相談、給与計算・社会保険手続き代行、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など、人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
入社・退職時の手続きは何が必要?提出期限・必要書類・注意点を解説
いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。
従業員が入社・退職するとき、会社ではさまざまな手続きが必要になります。
「社会保険と雇用保険は、いつまでに手続きすればよい?」
「パートやアルバイトも加入させる必要がある?」
「退職者が離職票を希望しない場合はどうする?」
このような疑問を持つ経営者や人事労務担当者の方も多いのではないでしょうか。
入退社手続きには、それぞれ提出期限があり、届出が遅れると従業員の保険利用や失業給付の手続きに影響する可能性があります。
📌 入退社手続きで重要なのは、必要な届出を把握し、対象者・提出期限・必要書類を正しく確認することです。
今回は、従業員の入社・退職時に必要な社会保険・雇用保険の手続きを一覧にまとめ、実務上の注意点を解説します。
1.入社時に必要な手続き一覧
従業員を採用した場合、まず社会保険と雇用保険の加入要件を確認します。
加入対象となる場合は、次の手続きが必要です。
| 手続き | 提出期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届 | 事実発生から5日以内 | 年金事務所等 |
| 健康保険 被扶養者(異動)届 | 原則5日以内 | 年金事務所等 |
| 雇用保険 被保険者資格取得届 | 加入月の翌月10日まで | ハローワーク |
| 労働保険 保険関係成立届 | 新たに保険関係が成立した場合、10日以内 | 労働基準監督署等 |
| 労働保険 概算保険料申告書 | 新たに保険関係が成立した場合、50日以内 | 労働基準監督署等 |
※健康保険組合加入事業所では、健康保険関係の届出先や必要書類が異なる場合があります。また、労働保険の成立手続きは、すでに適用されている事業所で従業員が入社するたびに行うものではありません。
2.社会保険の加入対象者を確認する
健康保険・厚生年金保険は、正社員だけが対象になるわけではありません。
パート・アルバイトであっても、加入要件を満たせば社会保険への加入が必要です。
一般的には、通常の労働者の週所定労働時間および月所定労働日数の4分の3以上である場合、加入対象となります。
また、4分の3未満であっても、特定適用事業所等では、週所定労働時間や雇用期間などの要件を満たす短時間労働者が加入対象となる場合があります。
👉 「パートだから社会保険に入らなくてよい」という判断はできません。雇用契約の内容と事業所の適用状況を確認しましょう。
3.健康保険・厚生年金保険の資格取得届
社会保険の加入対象となる従業員を採用した場合、会社は「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を提出します。
提出期限は、原則として事実発生から5日以内です。
主に確認する情報は、氏名、生年月日、マイナンバーまたは基礎年金番号、資格取得日、報酬月額などです。
特に、資格取得時の報酬月額は、社会保険料の基礎となる標準報酬月額の決定に関係します。
基本給だけでなく、通勤手当や各種手当など、報酬に含まれるものを確認しましょう。
参考:日本年金機構「就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き」
4.扶養家族がいる場合の手続き
入社する従業員に健康保険の扶養対象となる家族がいる場合は、被扶養者の認定手続きも必要になります。
協会けんぽの場合、原則として「健康保険 被扶養者(異動)届」を提出します。
ただし、家族であれば必ず扶養に入れるわけではありません。
収入要件や生計維持関係など、被扶養者の認定基準を満たしているか確認する必要があります。
また、配偶者が国民年金第3号被保険者に該当する場合は、関連する届出も必要です。
📌 扶養家族の有無は入社時に確認し、必要書類を早めに案内しましょう。
5.雇用保険の加入対象者を確認する
雇用保険についても、正社員だけでなく、一定の条件を満たすパート・アルバイトが加入対象になります。
2026年10月時点の一般的な加入要件は、次のとおりです。
-
1週間の所定労働時間が20時間以上
-
31日以上の雇用見込みがある
ただし、昼間学生など、原則として加入対象とならない場合もあります。
例えば、週25時間勤務で、6か月の雇用契約を締結したパート従業員は、原則として雇用保険の加入対象になります。
一方、週15時間勤務の場合は、現行の一般的な加入要件を満たしません。
なお、雇用保険の適用要件は2028年10月からの変更が予定されているため、今後の法改正にも注意が必要です。
6.雇用保険の資格取得届
雇用保険の加入対象となる従業員を採用した場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。
提出期限は、資格取得日の属する月の翌月10日までです。
例えば、10月15日に入社した場合、原則として11月10日が提出期限となります。
手続きでは、氏名、生年月日、雇用保険被保険者番号、マイナンバー、雇用形態、賃金、週所定労働時間などを確認します。
過去に雇用保険へ加入していた従業員については、原則として以前の被保険者番号を使用します。
7.入社時に従業員から確認しておきたい情報
入社手続きをスムーズに進めるためには、必要な情報を早めに収集しておくことが重要です。
例えば、次のような項目です。
□ 氏名・フリガナ
□ 生年月日
□ 住所
□ マイナンバー
□ 基礎年金番号等
□ 雇用保険被保険者番号
□ 扶養家族の有無
□ 雇用契約期間
□ 週所定労働時間
□ 給与額・各種手当
□ 給与振込口座
特に、雇用保険の被保険者番号が不明な場合や、以前の加入記録と氏名・生年月日が一致しない場合は、確認に時間がかかることがあります。
👉 入社後に必要情報を集め始めるのではなく、入社前から準備を進めることがおすすめです。
8.退職時に必要な手続き一覧
続いて、従業員が退職する場合の手続きを確認しましょう。
| 手続き | 提出期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届 | 事実発生から5日以内 | 年金事務所等 |
| 雇用保険 被保険者資格喪失届 | 被保険者でなくなった日の翌日から10日以内 | ハローワーク |
| 雇用保険 被保険者離職証明書 | 離職票を発行する場合、資格喪失届と併せて提出 | ハローワーク |
| 給与所得者異動届出書 | 原則として退職した月の翌月10日まで | 市区町村 |
※住民税の異動届は社会保険・雇用保険とは別の手続きですが、退職時に忘れやすいため併せて確認しましょう。
9.健康保険・厚生年金保険の資格喪失届
社会保険に加入していた従業員が退職した場合、会社は「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届」を提出します。
提出期限は、原則として事実発生から5日以内です。
ここで重要なのが、退職日と資格喪失日の違いです。
例えば、10月15日に退職した場合、
退職日:10月15日
資格喪失日:10月16日
となります。
社会保険の資格喪失日は、原則として退職日の翌日です。
また、従業員本人だけでなく、扶養家族についても健康保険の資格がなくなるため、必要な案内を行いましょう。
10.月末退職と月途中退職では社会保険料が違う?
退職時に特に注意したいのが、社会保険料の控除です。
社会保険料は原則として月単位で計算され、資格喪失日の属する月の前月分まで発生します。
例えば、次のようになります。
| 退職日 | 資格喪失日 | 原則として発生する最終保険料 |
|---|---|---|
| 10月15日 | 10月16日 | 9月分まで |
| 10月30日 | 10月31日 | 9月分まで |
| 10月31日 | 11月1日 | 10月分まで |
つまり、月末退職の場合は退職月分の社会保険料が発生するということです。
ただし、資格取得月と資格喪失月が同じ場合には、同月得喪に関する別の取扱いがあるため注意が必要です。
また、会社が翌月控除を行っている場合、退職時の給与から2か月分の保険料を控除することもあります。
📌 退職日だけでなく、社会保険料を当月控除しているか、翌月控除しているかも確認しましょう。
参考:日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときの保険料」
11.退職後の健康保険についても案内する
退職すると、それまで加入していた会社の健康保険は原則として利用できなくなります。
そのため、退職者には退職後の健康保険についても案内しておくと親切です。
主な選択肢は、国民健康保険、健康保険の任意継続、家族の健康保険の被扶養者になる方法などです。
例えば、国民健康保険へ切り替える場合には、健康保険の資格喪失日を確認できる書類が必要になることがあります。
また、任意継続を希望する場合には、原則として資格喪失日から20日以内の申請が必要です。
👉 退職者が健康保険の切り替えで困らないよう、必要な手続きや期限を案内しましょう。
12.雇用保険の資格喪失届
雇用保険に加入していた従業員が退職した場合は、「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出します。
提出期限は、被保険者でなくなった日の翌日から10日以内です。
例えば、10月15日に退職した場合、通常は10月16日に資格を喪失し、その翌日から起算して10日以内に手続きを行います。
手続きでは、退職日、離職理由、被保険者番号などを確認します。
また、必要に応じて労働者名簿、出勤簿、賃金台帳、退職理由が確認できる資料などを準備します。
必要な添付書類は、手続き内容や管轄ハローワークの取扱いによって異なる場合があります。
13.離職票が必要な場合・不要な場合
退職時によくある質問が、「離職票は必ず発行しなければならないのか」というものです。
離職票は、退職者が失業等給付の受給手続きを行う際などに使用する書類です。
原則として、退職者が離職票を希望する場合は、会社が離職証明書を提出して発行手続きを行います。
一方、退職者が離職票を希望しない場合は、原則として離職証明書の提出を省略できます。
ただし、離職時に59歳以上の従業員については、本人の希望にかかわらず離職証明書の提出が必要です。
| 退職者の状況 | 離職証明書の提出 |
|---|---|
| 58歳・離職票を希望する | 必要 |
| 58歳・離職票を希望しない | 原則不要 |
| 59歳以上 | 原則必要 |
なお、退職時には不要と申し出た従業員から、後日離職票の交付を求められることもあります。
14.離職理由の記載にも注意
離職票の手続きでは、離職理由の記載が重要です。
例えば、自己都合退職、会社都合による離職、契約期間満了、定年退職などがあります。
離職理由によって、失業等給付の取扱いが異なる場合があるためです。
会社としては、退職届や雇用契約書、退職に至る経緯などを確認し、事実に基づいて記載する必要があります。
また、会社と従業員で離職理由について認識が異なる場合もあります。
その場合、最終的な離職理由の判定はハローワークが行います。
📌 会社の都合だけで離職理由を決めるのではなく、実際の退職経緯に基づいて手続きを行いましょう。
15.退職時は住民税の手続きも忘れずに
社会保険・雇用保険の手続きと併せて、住民税の手続きも確認しましょう。
従業員が住民税を特別徴収されていた場合、原則として「給与所得者異動届出書」を市区町村へ提出します。
退職時期によって、残りの住民税の徴収方法が異なります。
例えば、1月1日から4月30日までの退職では、一定の例外を除き、残額を一括徴収する取扱いがあります。
一方、6月から12月の退職では、本人の申出による一括徴収や普通徴収への切り替えなどが考えられます。
また、転職先で特別徴収を継続する場合には、必要な情報を引き継ぐことがあります。
16.入退社手続きでよくあるミス
実務上、入退社手続きでは次のようなミスが起こりやすくなります。
① 入社日・退職日の確認間違い
最終出勤日と退職日は必ずしも同じではありません。
② 社会保険の加入判定ミス
パート・アルバイトの勤務条件を確認せず、加入対象から外してしまうケースです。
③ 雇用保険の取得漏れ
週所定労働時間や雇用見込みを確認していなかったケースです。
④ 資格喪失日の記載間違い
退職日と資格喪失日を同じ日としてしまうケースです。
⑤ 離職票の発行漏れ
本人が希望していたにもかかわらず、離職証明書を提出していなかったケースです。
⑥ 社会保険料の控除間違い
月末退職や翌月控除の取扱いを誤ってしまうケースです。
👉 入退社のたびにチェックリストを使用することで、こうしたミスを減らしやすくなります。
17.入社時の実務チェックリスト
従業員が入社する際には、次の項目を確認しましょう。
□ 入社日を確認した
□ 労働条件通知書・雇用契約書を準備した
□ 社会保険の加入要件を確認した
□ 雇用保険の加入要件を確認した
□ マイナンバー等の必要情報を確認した
□ 扶養家族の有無を確認した
□ 社会保険の資格取得届を提出した
□ 雇用保険の資格取得届を提出した
□ 給与計算システムへ登録した
□ 勤怠管理システムへ登録した
□ 雇用保険被保険者証等の必要書類を本人へ交付した
18.退職時の実務チェックリスト
退職時には、次の項目を確認しましょう。
□ 退職日を確認した
□ 最終出勤日を確認した
□ 有給休暇の残日数を確認した
□ 最終給与の計算方法を確認した
□ 社会保険の資格喪失日を確認した
□ 社会保険の資格喪失届を提出した
□ 雇用保険の資格喪失届を提出した
□ 離職票の希望を確認した
□ 59歳以上の場合の離職証明書提出を確認した
□ 社会保険料の最終控除を確認した
□ 住民税の異動届を提出した
□ 健康保険の資格確認書等の返却要否を確認した
□ 退職後の健康保険について案内した
□ 必要に応じて資格喪失証明書等を準備した
19.手続きの外注も選択肢の一つ
入退社手続きは、毎月必ず発生するとは限りません。
そのため、担当者が手続き方法を忘れてしまったり、制度変更を把握できていなかったりすることがあります。
また、従業員数が増えると、入退社だけでなく、扶養変更、育児休業、休職、社会保険料の変更など、対応すべき業務も増えていきます。
このような場合は、社会保険・雇用保険の手続きを社労士へ委託する方法もあります。
社内担当者が必要な情報を収集し、専門的な届出や確認を社労士へ依頼することで、業務負担を減らせる可能性があります。
20.社会保険労務士法人ワンステップにご相談ください
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・大阪を中心に、企業の社会保険・雇用保険手続きや人事労務をサポートしています。
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21.まとめ
従業員の入社・退職時には、社会保険・雇用保険を中心に、さまざまな手続きが必要です。
特に重要なのが、次の提出期限です。
| 手続き | 提出期限 |
|---|---|
| 社会保険 資格取得届 | 事実発生から5日以内 |
| 雇用保険 資格取得届 | 加入月の翌月10日まで |
| 社会保険 資格喪失届 | 事実発生から5日以内 |
| 雇用保険 資格喪失届 | 被保険者でなくなった日の翌日から10日以内 |
また、退職時には、離職票の発行要否や社会保険料の最終控除、退職後の健康保険についても確認が必要です。
📌 入退社手続きで大切なのは、届出を提出することだけでなく、加入要件・資格取得日・資格喪失日・提出期限を正しく判断することです。
まずは、会社で使用している入社・退職時のチェックリストを見直し、手続き漏れがないか確認してみてはいかがでしょうか。
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