社内アンケートで従業員の本音を引き出す設問設計のコツ -

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社内アンケートで従業員の本音を引き出す設問設計のコツ

2026.09.19 コラム
社内アンケートで社員に本音を書いてもらうには

社内アンケートで社員に本音を書いてもらうには

 

社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・阪南を中心に労務相談、給与計算・社会保険手続き代行、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など、人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。

 

「何か不満はありますか?」だけでは本音は集まりません

いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。

「社員が何を考えているのか分からない」

「離職が続いているけれど、原因が見えない」

「面談では特に不満はないと言うのに、退職時になって初めて本音が出てくる」

このようなお悩みを持つ会社は少なくありません。

そこで活用したいのが、社内アンケートです。

回答しやすく、会社の改善につながるアンケートを作るポイント

ただし、

「会社について何か意見はありますか?」

と聞くだけでは、なかなか本音は集まりません。

👉 社員の本音を引き出すには、「何を聞くか」だけでなく、「どう聞くか」が重要です。

今回は、従業員アンケートを実施するときの設問設計のコツについて解説します。


1.社内アンケートの目的を最初に決める

アンケートを作る前に、まず決めたいのが、

「何を知りたいのか」

です。

例えば、

・離職の原因を知りたい
・上司との関係を確認したい
・仕事量に問題がないか知りたい
・評価制度への納得度を確認したい
・職場のコミュニケーションを改善したい
・ハラスメントの兆候を把握したい

など、目的によって設問は変わります。

📌 目的が曖昧なまま設問を増やすと、アンケート結果を見ても「結局どうすればいいのか分からない」という状態になりがちです。

最初にテーマを3~5項目程度に絞ると作りやすくなります。


2.「何か不満はありますか?」では答えにくい

例えば、

「会社に不満はありますか?」

という質問をしたとします。

社員からすると、

「不満と書いたら誰か分かるのでは?」

「何を書けばいいのか分からない」

「特にないと書いておこう」

となりやすい質問です。

そこで、

「現在の仕事量についてどう感じていますか?」

「上司へ相談しやすいと感じますか?」

「人事評価の基準は分かりやすいですか?」

というように、テーマを具体的に分けます。

👉 大きな質問を、答えやすい小さな質問に分解することがポイントです。


3.基本は「選択式+自由記述」

社内アンケートでは、すべて自由記述にすると回答する側の負担が大きくなります。

例えば、

「会社について思うことを書いてください」

という設問が20個並んでいると、最後まで回答してもらえないかもしれません。

おすすめなのは、

選択式を中心にして、必要なところだけ自由記述を入れる方法です。

例えば、

現在の仕事量についてどう感じますか?

1.かなり多い
2.やや多い
3.適切
4.やや少ない
5.かなり少ない

その後に、

「仕事量について改善してほしい点があれば記載してください」

と自由記述欄を設けます。

📌 数字で全体傾向を把握し、自由記述で理由を確認するという組み合わせが使いやすいです。


4.5段階評価にすると変化を追いやすい

回答形式として使いやすいのが、5段階評価です。

例えば、

「上司に相談しやすいと感じる」

という設問に対して、

1.まったくそう思わない
2.あまりそう思わない
3.どちらともいえない
4.ややそう思う
5.非常にそう思う

と回答してもらいます。

この方法なら、

「前年平均3.2 → 今年3.8」

というように変化を追うこともできます。

👉 同じ設問を継続して聞くことで、職場改善の効果を確認しやすくなります。


5.一つの質問に「二つの意味」を入れない

アンケートでよくある失敗が、

一つの設問で複数のことを聞いてしまうことです。

例えば、

「給与や人事評価に満足していますか?」

という質問です。

給与には満足しているけれど評価制度には不満がある社員は、どう答えればよいのでしょうか。

この場合は、

「現在の給与水準に納得していますか?」

「人事評価の基準は分かりやすいですか?」

と分けます。

📌 一つの設問では、一つのテーマだけを聞くことが基本です。


6.誘導する質問を避ける

会社側の希望する答えに誘導する設問にも注意が必要です。

例えば、

「当社では働きやすい職場づくりに取り組んでいますが、現在の職場環境に満足していますか?」

と聞くと、

「会社は満足してほしいと思っているのだな」

と感じる可能性があります。

もっとシンプルに、

「現在の職場環境に満足していますか?」

と聞く方がよいでしょう。

👉 設問はできるだけ中立的な表現にします。


7.「会社への満足度」だけでは原因が分からない

例えば、

「この会社で働くことに満足していますか?」

という質問は大切です。

しかし、この質問だけでは、

なぜ満足しているのか、なぜ不満なのか

が分かりません。

そのため、

・仕事内容
・仕事量
・給与
・評価
・上司
・人間関係
・働く時間
・休みやすさ
・成長機会

などに分けて聞きます。

📌 総合評価と、その理由となる個別項目の両方を聞くことが重要です。


8.仕事量について聞く

社員の不満や離職につながりやすいテーマの一つが仕事量です。

例えば、

「現在の仕事量は適切だと感じますか?」

という設問があります。

また、

「特定の社員に仕事が偏っていると感じますか?」

と聞くこともできます。

自由記述では、

「負担が大きい業務があれば教えてください」

とすると、業務改善のヒントが得られる場合があります。

👉 「忙しいですか?」だけではなく、仕事量・人員配置・業務の偏りまで見ると改善につながりやすくなります。


9.上司との関係について聞く

職場満足度に大きく影響するのが、直属の上司との関係です。

例えば、

・上司に相談しやすい
・必要な指示を受けられている
・仕事について適切なフィードバックがある
・意見を聞いてもらえる
・公平に扱われていると感じる

などの設問があります。

📌 「上司が好きですか?」ではなく、具体的な行動について質問することがポイントです。

これなら管理職へのフィードバックにも活用しやすくなります。


10.評価制度への納得度も確認する

評価制度があっても、

「何を評価されているのか分からない」

という社員は少なくありません。

例えば、

「自分に求められている役割を理解していますか?」

「人事評価の基準は分かりやすいですか?」

「評価結果について十分な説明がありますか?」

「頑張りが適切に評価されていると感じますか?」

などです。

👉 評価制度そのものだけでなく、「社員に伝わっているか」まで確認しましょう。

制度を作っただけでは、納得度は上がりません。


11.「成長できているか」も重要

給与だけでなく、

「この会社で成長できるか」

を重視する社員もいます。

そのため、

・仕事を通じて成長できていると感じる
・新しい仕事に挑戦する機会がある
・必要な教育を受けられている
・将来のキャリアをイメージできる

などの質問も有効です。

📌 若手社員の定着を考える場合は、教育・キャリアに関する設問も入れておきたいところです。


12.「辞めたいですか?」より聞き方を工夫する

離職リスクを確認するために、

「会社を辞めたいですか?」

と直接聞く方法もあります。

ただ、答えにくい社員もいるでしょう。

例えば、

「今後もこの会社で働き続けたいと思いますか?」

という聞き方があります。

また、

「知人に当社への入社を勧めたいと思いますか?」

といった質問も、会社への評価を把握する一つの方法です。

👉 直接的な聞き方と間接的な聞き方を組み合わせると、本音を把握しやすくなります。


13.自由記述では「改善案」を聞く

自由記述欄に、

「その他ご意見があれば自由に記載してください」

とだけ書くと、空欄になることがあります。

そこで、

「仕事をしやすくするために、会社に改善してほしいことを一つ教えてください」

と聞きます。

あるいは、

「現在の会社で、今後も続けてほしい取り組みはありますか?」

という質問もおすすめです。

📌 悪いところだけでなく、「良いところ」も聞くことが大切です。

改善すべき点と残すべき点の両方が分かります。


14.個人が特定される質問を増やしすぎない

匿名アンケートを実施していても、

・部署
・年齢
・性別
・勤続年数
・役職
・職種

をすべて回答させると、

「これでは誰が回答したか分かる」

と思われる可能性があります。

特に社員数が少ない会社では注意が必要です。

例えば、

「営業部・50代・管理職・勤続20年以上」

まで分かれば、一人しかいないこともあります。

👉 分析に本当に必要な属性だけを聞きましょう。

本音を集めたいのであれば、匿名性への安心感は非常に重要です。


15.「匿名です」と書くだけでは信用されないことも

会社側が、

「完全匿名です」

と説明しても、

社員が、

「どうせ誰が書いたか分かるでしょう」

と思っていることがあります。

そこで、

・氏名を入力させない
・メールアドレスを収集しない
・個別回答を管理職へそのまま見せない
・集計単位を細かくしすぎない

など、実際の運用も重要です。

📌 匿名性は言葉で説明するだけでなく、仕組みで担保することが大切です。


16.設問数は多すぎない方がいい

せっかくアンケートをするなら、

「あれも聞きたい」

「これも聞きたい」

となりがちです。

その結果、50問、100問と増えると回答する側が疲れてしまいます。

回答途中から、

「全部3でいいか」

となれば、精度も落ちます。

👉 まずは15~30問程度に絞り、5~10分程度で回答できる内容から始めるのも一つの方法です。

目的に必要な設問を優先しましょう。


17.おすすめの設問例

例えば、簡易的な従業員アンケートなら、次のような設問が考えられます。

仕事内容

・自分の役割を理解している
・仕事量は適切だと感じる
・自分の能力を活かせている

上司・人間関係

・上司へ相談しやすい
・職場で協力し合えている
・意見を言いやすい職場だと感じる

評価・処遇

・評価基準を理解している
・評価結果に納得している
・頑張りが認められていると感じる

働きやすさ

・休暇を取得しやすい
・仕事と私生活の両立ができている
・安心して働ける職場だと感じる

成長・将来

・成長する機会がある
・必要な教育を受けられている
・今後もこの会社で働きたい

最後に、

「会社に改善してほしいことを一つ教えてください」

という自由記述を設けます。

📌 最初は難しく考えず、会社として把握したいテーマをバランスよく配置しましょう。


18.最も大切なのは「アンケート後」

社内アンケートで一番やってはいけないのが、

実施しただけで終わること

です。

社員が一生懸命回答したのに、

・結果が共有されない
・何も改善されない
・翌年も同じアンケートだけ実施する

となれば、

「書いても意味がない」

と思われてしまいます。

すると、次回から本音を書いてもらえなくなります。

👉 アンケートは回答を集めたところがスタートです。


19.結果を社員へフィードバックする

すべての回答内容を公開する必要はありません。

しかし、

「今回のアンケートでは○○への評価が高かった」

「一方で、△△について改善要望が多かった」

と全体傾向を共有するとよいでしょう。

そのうえで、

「まず○○から改善します」

と会社の行動を伝えます。

📌 社員は「会社が回答を読んでいる」「意見が会社を変えている」と分かると、次回も回答しやすくなります。


20.全部の要望に応える必要はない

アンケートでは、

「給与をもっと上げてほしい」

「休日をもっと増やしてほしい」

「人を増やしてほしい」

など、すぐには対応できない要望も出てきます。

会社がすべて実現する必要はありません。

重要なのは、

できること

今はできないこと

を整理することです。

例えば、

「給与については現時点ですぐに変更できませんが、評価制度については今年中に見直します」

と説明することもできます。

👉 対応できない意見を無視するのではなく、会社としての考えを伝えることが信頼につながります。


21.年1回だけでなく定期的に実施する

従業員アンケートは、一度だけでは変化が分かりません。

例えば、

半年に1回

または、

年1回

など一定のタイミングで実施します。

そして、

前年 3.1

今年 3.7

というように比較します。

📌 アンケートを社員の「点数付け」に使うのではなく、会社の改善状況を確認する定点観測として活用しましょう。


22.アンケートと面談を組み合わせる

アンケートだけでは、細かい背景まで分からないことがあります。

例えば、

「上司への相談のしやすさ」

が低かったとしても、

・忙しくて話す時間がない
・上司が怖い
・相談しても解決しない
・相談先そのものを知らない

など原因はさまざまです。

そこで、アンケート結果をもとに面談や管理職へのヒアリングを行います。

👉 アンケートで課題を見つけ、面談で原因を深掘りするという使い方が効果的です。


23.社会保険労務士法人ワンステップに相談するメリット

社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・大阪を中心に、

・従業員アンケートの設計
・設問内容の作成
・アンケート結果の分析
・社員面談制度の構築
・評価制度の見直し
・管理職研修
・職場環境改善
・就業規則の整備

などをサポートしています。

「社員が何に不満を持っているか分からない」

「離職が続いている原因を把握したい」

「従業員満足度調査をやってみたい」

「アンケートを実施したけれど結果をどう活用すればいいか分からない」

という企業様もお気軽にご相談ください。

👉 社会保険労務士法人ワンステップ
https://www.onestep-sr.jp/


24.まとめ

社内アンケートで従業員の本音を引き出すためには、

単に、

「自由に意見を書いてください」

と聞くだけでは十分ではありません。

ポイントは、

① アンケートの目的を決める

② 一つの設問では一つのテーマだけ聞く

③ 選択式と自由記述を組み合わせる

④ 中立的で答えやすい表現にする

⑤ 匿名性に配慮する

⑥ 設問数を増やしすぎない

⑦ 結果を必ず改善につなげる

ことです。

📌 従業員の本音を引き出せるかどうかは、設問内容だけではなく、「答えても不利益がない」「答えたら会社が動いてくれる」と思ってもらえるかで決まります。

アンケートは社員への「調査」ではなく、会社と社員とのコミュニケーション手段の一つです。

👉 まずは「仕事量」「上司との関係」「評価」「働きやすさ」「今後も働きたいか」の5つから確認してみてはいかがでしょうか。

 

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執筆者情報
社会保険労務士法人ワンステップ 代表社員 社会保険労務士 千田佳昭
保有資格社会保険労務士 行政書士
専門分野助成金申請サポート 人事労務サポート
一言当法人は2005年に創業し、その後2019年に社会保険労務士法人ワンステップへと法人化しました。創業から20年を超えても一貫して「人事労務の手続きサポート・助成金の積極提案」を主軸に取り組んできました。 人事労務のサポートを通じてより良い企業づくりと、それを通じた地域の発展を支援することが当法人の役割です。お客様のため、地域のために何ができるか日々研究し、実践しています。 お困り事があれば、まずはお電話やメール等でお気軽にお問い合わせください。
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