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社内アンケートで従業員の本音を引き出す設問設計のコツ
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・阪南を中心に労務相談、給与計算・社会保険手続き代行、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など、人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
「何か不満はありますか?」だけでは本音は集まりません
いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。
「社員が何を考えているのか分からない」
「離職が続いているけれど、原因が見えない」
「面談では特に不満はないと言うのに、退職時になって初めて本音が出てくる」
このようなお悩みを持つ会社は少なくありません。
そこで活用したいのが、社内アンケートです。
回答しやすく、会社の改善につながるアンケートを作るポイント
ただし、
「会社について何か意見はありますか?」
と聞くだけでは、なかなか本音は集まりません。
👉 社員の本音を引き出すには、「何を聞くか」だけでなく、「どう聞くか」が重要です。
今回は、従業員アンケートを実施するときの設問設計のコツについて解説します。
1.社内アンケートの目的を最初に決める
アンケートを作る前に、まず決めたいのが、
「何を知りたいのか」
です。
例えば、
・離職の原因を知りたい
・上司との関係を確認したい
・仕事量に問題がないか知りたい
・評価制度への納得度を確認したい
・職場のコミュニケーションを改善したい
・ハラスメントの兆候を把握したい
など、目的によって設問は変わります。
📌 目的が曖昧なまま設問を増やすと、アンケート結果を見ても「結局どうすればいいのか分からない」という状態になりがちです。
最初にテーマを3~5項目程度に絞ると作りやすくなります。
2.「何か不満はありますか?」では答えにくい
例えば、
「会社に不満はありますか?」
という質問をしたとします。
社員からすると、
「不満と書いたら誰か分かるのでは?」
「何を書けばいいのか分からない」
「特にないと書いておこう」
となりやすい質問です。
そこで、
「現在の仕事量についてどう感じていますか?」
「上司へ相談しやすいと感じますか?」
「人事評価の基準は分かりやすいですか?」
というように、テーマを具体的に分けます。
👉 大きな質問を、答えやすい小さな質問に分解することがポイントです。
3.基本は「選択式+自由記述」
社内アンケートでは、すべて自由記述にすると回答する側の負担が大きくなります。
例えば、
「会社について思うことを書いてください」
という設問が20個並んでいると、最後まで回答してもらえないかもしれません。
おすすめなのは、
選択式を中心にして、必要なところだけ自由記述を入れる方法です。
例えば、
現在の仕事量についてどう感じますか?
1.かなり多い
2.やや多い
3.適切
4.やや少ない
5.かなり少ない
その後に、
「仕事量について改善してほしい点があれば記載してください」
と自由記述欄を設けます。
📌 数字で全体傾向を把握し、自由記述で理由を確認するという組み合わせが使いやすいです。
4.5段階評価にすると変化を追いやすい
回答形式として使いやすいのが、5段階評価です。
例えば、
「上司に相談しやすいと感じる」
という設問に対して、
1.まったくそう思わない
2.あまりそう思わない
3.どちらともいえない
4.ややそう思う
5.非常にそう思う
と回答してもらいます。
この方法なら、
「前年平均3.2 → 今年3.8」
というように変化を追うこともできます。
👉 同じ設問を継続して聞くことで、職場改善の効果を確認しやすくなります。
5.一つの質問に「二つの意味」を入れない
アンケートでよくある失敗が、
一つの設問で複数のことを聞いてしまうことです。
例えば、
「給与や人事評価に満足していますか?」
という質問です。
給与には満足しているけれど評価制度には不満がある社員は、どう答えればよいのでしょうか。
この場合は、
「現在の給与水準に納得していますか?」
「人事評価の基準は分かりやすいですか?」
と分けます。
📌 一つの設問では、一つのテーマだけを聞くことが基本です。
6.誘導する質問を避ける
会社側の希望する答えに誘導する設問にも注意が必要です。
例えば、
「当社では働きやすい職場づくりに取り組んでいますが、現在の職場環境に満足していますか?」
と聞くと、
「会社は満足してほしいと思っているのだな」
と感じる可能性があります。
もっとシンプルに、
「現在の職場環境に満足していますか?」
と聞く方がよいでしょう。
👉 設問はできるだけ中立的な表現にします。
7.「会社への満足度」だけでは原因が分からない
例えば、
「この会社で働くことに満足していますか?」
という質問は大切です。
しかし、この質問だけでは、
なぜ満足しているのか、なぜ不満なのか
が分かりません。
そのため、
・仕事内容
・仕事量
・給与
・評価
・上司
・人間関係
・働く時間
・休みやすさ
・成長機会
などに分けて聞きます。
📌 総合評価と、その理由となる個別項目の両方を聞くことが重要です。
8.仕事量について聞く
社員の不満や離職につながりやすいテーマの一つが仕事量です。
例えば、
「現在の仕事量は適切だと感じますか?」
という設問があります。
また、
「特定の社員に仕事が偏っていると感じますか?」
と聞くこともできます。
自由記述では、
「負担が大きい業務があれば教えてください」
とすると、業務改善のヒントが得られる場合があります。
👉 「忙しいですか?」だけではなく、仕事量・人員配置・業務の偏りまで見ると改善につながりやすくなります。
9.上司との関係について聞く
職場満足度に大きく影響するのが、直属の上司との関係です。
例えば、
・上司に相談しやすい
・必要な指示を受けられている
・仕事について適切なフィードバックがある
・意見を聞いてもらえる
・公平に扱われていると感じる
などの設問があります。
📌 「上司が好きですか?」ではなく、具体的な行動について質問することがポイントです。
これなら管理職へのフィードバックにも活用しやすくなります。
10.評価制度への納得度も確認する
評価制度があっても、
「何を評価されているのか分からない」
という社員は少なくありません。
例えば、
「自分に求められている役割を理解していますか?」
「人事評価の基準は分かりやすいですか?」
「評価結果について十分な説明がありますか?」
「頑張りが適切に評価されていると感じますか?」
などです。
👉 評価制度そのものだけでなく、「社員に伝わっているか」まで確認しましょう。
制度を作っただけでは、納得度は上がりません。
11.「成長できているか」も重要
給与だけでなく、
「この会社で成長できるか」
を重視する社員もいます。
そのため、
・仕事を通じて成長できていると感じる
・新しい仕事に挑戦する機会がある
・必要な教育を受けられている
・将来のキャリアをイメージできる
などの質問も有効です。
📌 若手社員の定着を考える場合は、教育・キャリアに関する設問も入れておきたいところです。
12.「辞めたいですか?」より聞き方を工夫する
離職リスクを確認するために、
「会社を辞めたいですか?」
と直接聞く方法もあります。
ただ、答えにくい社員もいるでしょう。
例えば、
「今後もこの会社で働き続けたいと思いますか?」
という聞き方があります。
また、
「知人に当社への入社を勧めたいと思いますか?」
といった質問も、会社への評価を把握する一つの方法です。
👉 直接的な聞き方と間接的な聞き方を組み合わせると、本音を把握しやすくなります。
13.自由記述では「改善案」を聞く
自由記述欄に、
「その他ご意見があれば自由に記載してください」
とだけ書くと、空欄になることがあります。
そこで、
「仕事をしやすくするために、会社に改善してほしいことを一つ教えてください」
と聞きます。
あるいは、
「現在の会社で、今後も続けてほしい取り組みはありますか?」
という質問もおすすめです。
📌 悪いところだけでなく、「良いところ」も聞くことが大切です。
改善すべき点と残すべき点の両方が分かります。
14.個人が特定される質問を増やしすぎない
匿名アンケートを実施していても、
・部署
・年齢
・性別
・勤続年数
・役職
・職種
をすべて回答させると、
「これでは誰が回答したか分かる」
と思われる可能性があります。
特に社員数が少ない会社では注意が必要です。
例えば、
「営業部・50代・管理職・勤続20年以上」
まで分かれば、一人しかいないこともあります。
👉 分析に本当に必要な属性だけを聞きましょう。
本音を集めたいのであれば、匿名性への安心感は非常に重要です。
15.「匿名です」と書くだけでは信用されないことも
会社側が、
「完全匿名です」
と説明しても、
社員が、
「どうせ誰が書いたか分かるでしょう」
と思っていることがあります。
そこで、
・氏名を入力させない
・メールアドレスを収集しない
・個別回答を管理職へそのまま見せない
・集計単位を細かくしすぎない
など、実際の運用も重要です。
📌 匿名性は言葉で説明するだけでなく、仕組みで担保することが大切です。
16.設問数は多すぎない方がいい
せっかくアンケートをするなら、
「あれも聞きたい」
「これも聞きたい」
となりがちです。
その結果、50問、100問と増えると回答する側が疲れてしまいます。
回答途中から、
「全部3でいいか」
となれば、精度も落ちます。
👉 まずは15~30問程度に絞り、5~10分程度で回答できる内容から始めるのも一つの方法です。
目的に必要な設問を優先しましょう。
17.おすすめの設問例
例えば、簡易的な従業員アンケートなら、次のような設問が考えられます。
仕事内容
・自分の役割を理解している
・仕事量は適切だと感じる
・自分の能力を活かせている
上司・人間関係
・上司へ相談しやすい
・職場で協力し合えている
・意見を言いやすい職場だと感じる
評価・処遇
・評価基準を理解している
・評価結果に納得している
・頑張りが認められていると感じる
働きやすさ
・休暇を取得しやすい
・仕事と私生活の両立ができている
・安心して働ける職場だと感じる
成長・将来
・成長する機会がある
・必要な教育を受けられている
・今後もこの会社で働きたい
最後に、
「会社に改善してほしいことを一つ教えてください」
という自由記述を設けます。
📌 最初は難しく考えず、会社として把握したいテーマをバランスよく配置しましょう。
18.最も大切なのは「アンケート後」
社内アンケートで一番やってはいけないのが、
実施しただけで終わること
です。
社員が一生懸命回答したのに、
・結果が共有されない
・何も改善されない
・翌年も同じアンケートだけ実施する
となれば、
「書いても意味がない」
と思われてしまいます。
すると、次回から本音を書いてもらえなくなります。
👉 アンケートは回答を集めたところがスタートです。
19.結果を社員へフィードバックする
すべての回答内容を公開する必要はありません。
しかし、
「今回のアンケートでは○○への評価が高かった」
「一方で、△△について改善要望が多かった」
と全体傾向を共有するとよいでしょう。
そのうえで、
「まず○○から改善します」
と会社の行動を伝えます。
📌 社員は「会社が回答を読んでいる」「意見が会社を変えている」と分かると、次回も回答しやすくなります。
20.全部の要望に応える必要はない
アンケートでは、
「給与をもっと上げてほしい」
「休日をもっと増やしてほしい」
「人を増やしてほしい」
など、すぐには対応できない要望も出てきます。
会社がすべて実現する必要はありません。
重要なのは、
できること
今はできないこと
を整理することです。
例えば、
「給与については現時点ですぐに変更できませんが、評価制度については今年中に見直します」
と説明することもできます。
👉 対応できない意見を無視するのではなく、会社としての考えを伝えることが信頼につながります。
21.年1回だけでなく定期的に実施する
従業員アンケートは、一度だけでは変化が分かりません。
例えば、
半年に1回
または、
年1回
など一定のタイミングで実施します。
そして、
前年 3.1
今年 3.7
というように比較します。
📌 アンケートを社員の「点数付け」に使うのではなく、会社の改善状況を確認する定点観測として活用しましょう。
22.アンケートと面談を組み合わせる
アンケートだけでは、細かい背景まで分からないことがあります。
例えば、
「上司への相談のしやすさ」
が低かったとしても、
・忙しくて話す時間がない
・上司が怖い
・相談しても解決しない
・相談先そのものを知らない
など原因はさまざまです。
そこで、アンケート結果をもとに面談や管理職へのヒアリングを行います。
👉 アンケートで課題を見つけ、面談で原因を深掘りするという使い方が効果的です。
23.社会保険労務士法人ワンステップに相談するメリット
社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・大阪を中心に、
・従業員アンケートの設計
・設問内容の作成
・アンケート結果の分析
・社員面談制度の構築
・評価制度の見直し
・管理職研修
・職場環境改善
・就業規則の整備
などをサポートしています。
「社員が何に不満を持っているか分からない」
「離職が続いている原因を把握したい」
「従業員満足度調査をやってみたい」
「アンケートを実施したけれど結果をどう活用すればいいか分からない」
という企業様もお気軽にご相談ください。
👉 社会保険労務士法人ワンステップ
https://www.onestep-sr.jp/
24.まとめ
社内アンケートで従業員の本音を引き出すためには、
単に、
「自由に意見を書いてください」
と聞くだけでは十分ではありません。
ポイントは、
① アンケートの目的を決める
② 一つの設問では一つのテーマだけ聞く
③ 選択式と自由記述を組み合わせる
④ 中立的で答えやすい表現にする
⑤ 匿名性に配慮する
⑥ 設問数を増やしすぎない
⑦ 結果を必ず改善につなげる
ことです。
📌 従業員の本音を引き出せるかどうかは、設問内容だけではなく、「答えても不利益がない」「答えたら会社が動いてくれる」と思ってもらえるかで決まります。
アンケートは社員への「調査」ではなく、会社と社員とのコミュニケーション手段の一つです。
👉 まずは「仕事量」「上司との関係」「評価」「働きやすさ」「今後も働きたいか」の5つから確認してみてはいかがでしょうか。
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