OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を成功させるための計画書の作り方 -

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OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を成功させるための計画書の作り方

2026.09.17 コラム
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を成功させるコツ

OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を成功させるコツ

 

社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・阪南を中心に労務相談、給与計算・社会保険手続き代行、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など、人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。

 

「見て覚えて」では人は育ちません

いつもご覧いただきありがとうございます。
社会保険労務士法人ワンステップです。

「新人を採用したけれど、なかなか仕事を覚えてくれない」

「教育担当者によって教え方がバラバラ」

「先輩社員にOJTを任せているが、進捗が分からない」

このようなお悩みを持つ会社は少なくありません。

OJTとは、実際の仕事を通じて知識や技能を身につけてもらう教育方法です。

中小企業では特に取り入れやすい方法ですが、

「先輩について仕事を覚えて」

だけでは、うまくいかないことがあります。

教える内容・担当者・期限・到達基準を決めて、育成を仕組みにする方法

👉 OJTを成功させるポイントは、誰が・何を・いつまでに・どのレベルまで教えるのかを事前に決めておくことです。

今回は、OJTを形だけで終わらせないための「OJT計画書」の作り方について解説します。


1.OJTとは?

OJTは、

On the Job Training

の略で、実際の職場で仕事をしながら必要な知識や技能を身につけてもらう教育方法です。

例えば、

・電話対応
・接客
・機械操作
・営業同行
・書類作成
・システム入力
・顧客対応

などを、先輩社員や上司が実際の業務を通じて指導します。

📌 座学で知識を学ぶだけではなく、実際の仕事の中で身につけるのがOJTです。

一方で、研修会や外部セミナーなど、通常業務から離れて行う教育は「OFF-JT」と呼ばれます。


2.なぜOJTが失敗するのか?

OJTがうまくいかない会社には、いくつか共通点があります。

例えば、

「とりあえず先輩についてもらう」

「分からなければ聞いて」

「前任者と同じように覚えて」

という形です。

これでは、

・何を教えたのか分からない
・教える順番が人によって違う
・教え忘れが出る
・新人がどこまでできるのか分からない

という問題が起こります。

👉 OJTが失敗する原因は、本人の能力だけではなく、会社側の教育方法が曖昧なことも多いです。


3.まず「できるようになってほしい仕事」を洗い出す

OJT計画書を作る最初のステップは、

「この社員に、最終的に何ができるようになってほしいのか」

を明確にすることです。

例えば事務職なら、

・電話対応
・来客対応
・請求書作成
・データ入力
・顧客へのメール
・月次資料の作成

などがあります。

営業職なら、

・商品知識
・同行営業
・見積書作成
・顧客への提案
・契約手続き
・既存顧客フォロー

などです。

📌 「仕事を覚えてもらう」という大きな目標ではなく、具体的な業務単位まで分解することが重要です。


4.業務を「難易度順」に並べる

次に、洗い出した業務を教える順番に並べます。

例えば、

1週目

・社内ルール
・電話の取り方
・システムへのログイン
・簡単な入力作業

2~4週目

・定型書類の作成
・顧客メール
・基本的な問い合わせ対応

2か月目

・一人で書類作成
・通常の顧客対応

3か月目

・イレギュラー対応
・一連の業務を一人で完結

というように段階を設けます。

👉 簡単な仕事から始め、少しずつ難易度を上げる方が教育しやすくなります。

新人側も、「今どこまでできればよいのか」が分かりやすくなります。


5.「いつまでにできるようになるか」を決める

OJT計画書では期限も重要です。

例えば、

「電話対応を覚える」

ではなく、

「入社後2週間以内に、基本的な電話対応を一人でできる」

とします。

あるいは、

「3か月以内に、通常案件については一人で対応できる」

などです。

📌 期限がないと、教える側も教わる側も「まだそのうち覚えればいい」という状態になりやすくなります。

無理な期限を設定する必要はありませんが、目安は決めておきましょう。


6.「できる」の基準を明確にする

OJTで特に曖昧になりやすいのが、

「できるようになった」

という基準です。

例えば電話対応なら、

「電話に出られる」

だけでは不十分かもしれません。

具体的には、

・会社名を正しく名乗れる
・相手の名前を確認できる
・内容をメモできる
・担当者へ正しく取り次げる
・不在時の対応ができる

などがあります。

👉 誰が見ても判断できる基準にしておくと、評価のばらつきを減らせます。


7.OJT計画書に入れたい基本項目

OJT計画書は難しく作る必要はありません。

最低限、次のような項目があれば十分です。

① 教育項目

何を教えるのか。

② 目標

どのレベルまでできるようになるのか。

③ 期限

いつまでに習得するのか。

④ 指導担当者

誰が教えるのか。

⑤ 実施方法

説明、見本、実践、同行など。

⑥ 評価

できた・もう少し・未実施など。

⑦ コメント

本人の課題や次回の指導内容。

📌 A4用紙1枚程度から始めても構いません。

大切なのは、実際に使い続けられることです。


8.例えばこんなOJT計画書

例えば事務職の場合です。

教育項目:電話対応

目標:基本的な電話について一人で取り次げる
期限:入社2週間以内
担当者:○○主任
方法:説明 → ロールプレイ → 実際の電話対応
評価:○
コメント:不在時の伝言方法を再確認

次に、

教育項目:請求書作成

目標:通常の請求書を一人で作成し、上司のチェックで修正がほぼない状態
期限:入社1か月以内
担当者:△△さん
方法:見本確認 → 一緒に作成 → 一人で作成
評価:△
コメント:締日と請求日の確認が必要

という形です。

👉 「教えたかどうか」だけではなく、「本人ができるようになったか」を記録します。


9.教える方法は「説明→見本→実践→確認」

OJTでは、教え方にも一定の型を作ると効果的です。

おすすめなのは、

① 説明する

何をする仕事なのか、なぜ必要なのかを説明します。

↓

② 見本を見せる

先輩社員が実際にやって見せます。

↓

③ 本人にやってもらう

実際に作業してもらいます。

↓

④ 確認・フィードバックする

良かった点と改善点を伝えます。

この流れを繰り返します。

📌 いきなり「やってみて」ではなく、まず見本を見せることがポイントです。


10.「なぜこの仕事をするのか」まで教える

新人教育では、

「このボタンを押してください」

「このExcelに入力してください」

と、作業方法だけを教えがちです。

しかし、

「なぜこの作業が必要なのか」

まで説明すると、理解が深まります。

例えば、

「このデータは月末の請求書作成に使う」

「この確認をしないと、お客様への請求金額が間違う」

と説明します。

👉 作業の意味が分かると、ミスに気づく力も身につきやすくなります。


11.指導担当者は一人に任せきりにしない

よくある失敗が、

「新人教育は○○さんに任せています」

という状態です。

担当者を決めること自体は良いことです。

ただし、その人だけに全部任せると、

・通常業務との両立ができない
・教え方に偏りが出る
・本人との相性が悪い
・指導担当者が疲弊する

という問題が起こることがあります。

📌 主担当を決めつつ、業務ごとにサブ担当者を設定する方法もおすすめです。

会社全体で育てる意識を持ちましょう。


12.OJT担当者にも「教え方」を教える

仕事ができる社員が、必ずしも教えるのが上手とは限りません。

例えば、

「自分は一回で覚えたから、あなたもできるでしょう」

という教え方では、新人が育ちにくい場合があります。

そこでOJT担当者にも、

・説明の仕方
・質問の仕方
・フィードバック方法
・注意の伝え方
・新人とのコミュニケーション

などを教えておくことが大切です。

👉 新人教育を成功させるには、「教わる側」だけでなく「教える側」の教育も必要です。


13.定期的に面談する

OJT計画書を作ったら、定期的に進捗確認を行います。

例えば、

1週間後

1か月後

3か月後

などです。

面談では、

・できるようになったこと
・まだ不安な仕事
・困っていること
・次に覚える仕事

などを確認します。

📌 計画書は作って終わりではなく、面談で進捗を確認するための道具として使います。


14.本人にも自己評価してもらう

上司だけで評価するのではなく、本人にも、

○:一人でできる

△:確認しながらできる

×:まだ難しい

という形で自己評価してもらう方法があります。

すると、

上司「もうできていると思っていた」

本人「実はまだ不安だった」

という認識のズレが見つかります。

👉 上司評価と本人評価の差を見ることで、次に教える内容を決めやすくなります。


15.OJT計画書は「評価制度」ともつながる

例えば会社の評価項目に、

・仕事の正確性
・業務知識
・顧客対応
・主体性

などがある場合、OJTで教える内容とつなげることができます。

入社時には、

「まずここまでできるようになってください」

と示し、

その後、

「次のレベルではここを評価します」

とつなげます。

📌 教育制度と評価制度がつながっていると、社員もキャリアアップの道筋を理解しやすくなります。


16.「放置型OJT」は早期離職につながることも

新人からすると、

「忙しそうで質問できない」

「教えてくれる人によって言うことが違う」

「何ができれば一人前なのか分からない」

という職場は不安です。

その結果、

「自分にはこの会社は合わない」

と早期退職につながることもあります。

👉 OJTを整備することは、教育だけでなく社員定着の面でも重要です。

特に採用が難しい時代では、採用後の育成まで含めて考える必要があります。


17.マニュアルとOJTを組み合わせる

OJTだけに頼ると、

「○○さんしか教えられない」

という状態になりがちです。

そこで、

・業務マニュアル
・チェックリスト
・動画
・よくある質問集

なども用意します。

例えば、

マニュアルで確認

↓

先輩が説明

↓

本人が実践

↓

OJT計画書で習得状況を確認

という流れです。

📌 「人にしか教えられないこと」と「資料で教えられること」を分けると、教育担当者の負担も減らせます。


18.社員教育では助成金を活用できる場合も

社員の育成に取り組む場合、内容や実施方法などの要件によっては、人材開発支援助成金を活用できる可能性があります。

ただし、注意したいのは、

通常業務の中で行うOJTなら、何でも助成対象になるわけではない

という点です。

対象となる訓練コースや、OFF-JTとの組み合わせ、訓練時間、対象労働者など、制度ごとに要件が定められています。

👉 助成金を活用して社員教育を行う場合は、訓練開始前に対象になるか確認することが重要です。

 


19.社会保険労務士法人ワンステップに相談するメリット

社会保険労務士法人ワンステップでは、和歌山・奈良・大阪を中心に、

・OJT計画の作成
・新人教育制度の整備
・業務習得チェックリストの作成
・評価制度の構築
・面談制度の設計
・管理職、OJT担当者向け研修
・就業規則の整備
・社員教育に活用できる助成金のご提案

など、人材育成の仕組みづくりをサポートしています。

「新人教育が先輩社員任せになっている」

「社員によって教え方が違う」

「何年経っても一人前にならない」

「教育と評価制度をつなげたい」

という企業様もお気軽にご相談ください。

👉 社会保険労務士法人ワンステップ
https://www.onestep-sr.jp/


20.まとめ

OJTを成功させるために重要なのは、

「優秀な先輩社員に任せること」だけではありません。

まず、

① できるようになってほしい仕事を洗い出す

② 教える順番を決める

③ 習得期限を決める

④ 「できた」の基準を明確にする

⑤ 指導担当者を決める

⑥ 定期的に進捗を確認する

という仕組みを作ることが大切です。

📌 OJT計画書は、社員を管理するための書類ではなく、「誰が教えても一定の水準まで育てられる会社」にするための道具です。

そして、

「仕事は見て覚えるもの」

から、

「会社として計画的に人を育てる」

へ変えていくことが、人材定着や会社の成長につながります。

👉 まずは、新入社員が入社してから3か月間に「何を・いつまでに・どこまでできるようになってほしいか」を書き出すところから始めてみましょう。

 

労務問題対策には専門家の支援を

当法人では、企業様に顧問社労士契約を推奨しております。労務・手続き・助成金に強い顧問社労士をつけることで、労務問題を迅速に解決するだけでなく、給与計算や諸手続きにかかる総務部門の間接コストを削減することができ、経営に専念できる環境を整備出来ます。その他にも受給できる助成金の提案・申請代行や各種研修の実施・最新情報提供など、様々なメリットがあります。 詳しくは、【サービス紹介】をご覧ください。

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執筆者情報
社会保険労務士法人ワンステップ 代表社員 社会保険労務士 千田佳昭
保有資格社会保険労務士 行政書士
専門分野助成金申請サポート 人事労務サポート
一言当法人は2005年に創業し、その後2019年に社会保険労務士法人ワンステップへと法人化しました。創業から20年を超えても一貫して「人事労務の手続きサポート・助成金の積極提案」を主軸に取り組んできました。 人事労務のサポートを通じてより良い企業づくりと、それを通じた地域の発展を支援することが当法人の役割です。お客様のため、地域のために何ができるか日々研究し、実践しています。 お困り事があれば、まずはお電話やメール等でお気軽にお問い合わせください。
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